同性愛は病気なのですか?
よくある誤解 · 誤り
「家族の年長者に「同性愛は精神病だから病院で診てもらえ」と言われました。本当なのでしょうか?」
事実はこうです
いいえ。同性愛そのものは精神疾患ではありません。ただし、CCMD-3が2001年に同性愛を中国の疾病分類から完全に外した、という説明は単純化されており、正確な分類史ではありません。
医学的に何かを「病気」と判断するときに見るのは、二つの点です。それ自体が機能の障害を引き起こしているか、そして外部からの圧力では説明できない苦痛をもたらしているか。性的指向は、このどちらにも当てはまりません。多くの当事者を苦しめているのは差別や辱め、周囲からの圧力であって、指向そのものではないのです。そう考えれば、答えはおのずと見えてきます——しかもそれは「新しい価値観」などではなく、世界の精神医学界が数十年前にすでに到達していた科学的な結論です。
一度きりの出来事ではなく、一本の時間軸
脱病理化は一度きりの孤立した出来事ではなく、はっきりとした一本の時間軸として進んできました。
- 1973年、米国精神医学会は証拠を体系的に検証したうえで、同性愛を『精神障害の診断と統計マニュアル』(DSM)から削除しました。
- 1990年、世界保健機関(WHO)は同性愛そのものを精神障害として分類しないことにしました。ただしICD-10から性的指向に関わる項目がすべて消えたわけではなく、5月17日はこの変更に関わる日です。
- 2019年、世界保健総会はICD-11を採択し(2022年発効)、この結論を引き継いだだけでなく、トランスジェンダーに関連する項目も精神障害の章から外しました。
ICD-11やDSMなどの国際的な体系では、同性愛そのものは病気ではありません。ただし、すべての国の分類史が同じ日に同じ形で変わった、という意味ではありません。
中国では:分類史を正確に読む
「それは欧米だけの話でしょう」と思う方もいるかもしれませんが、中国の分類史を単純なスローガンに置き換えることもできません。よくある説明では、2001年に発表された『中国精神障害分類・診断基準(第3版)』(CCMD-3)が同性愛を疾病分類から外した、とされます。しかしCCMD-3の本文とその後の運用を検討した2026年の研究は、「性取向障害」の下に「同性愛」という診断が残っていたと指摘しています。一方で、性行動そのものは必ずしも異常ではないとも記していました。これはWHOが1990年に同性愛そのものを外した道筋とは異なります。「表現が狭められた」ことを「完全な脱病理化」と呼ぶと、大切な違いが隠れてしまいます。
この点は、同性愛そのものは治療すべき病気ではないという医学的な結論を変えません。中国については、分類基準の文章、機関での運用、現在の国際基準を分けて説明することが大切です。
いま、このことで苦しんでいるなら
- その苦しさは本物です。ただ、その出どころは丁寧に見分ける価値があります。あなたをつらくさせているのは指向そのものでしょうか、それとも周囲の人の態度でしょうか。前者は医学的に「治すべき病気」ではなく、向き合うべき圧力は後者のほうです。この「マイノリティ・ストレス」については、メンタルヘルスの記事で詳しくお話ししています。
- 「治療」の名目で矯正を勧めてくる人がいたら、まず転向療法についての検証記事をお読みください。あれは医療ではなく、害です。
- 今まさに持ちこたえるのがつらいときは、すぐに使える相談窓口があります。あなたは「治される」必要などありませんが、支えられるに値する人です。