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用語集 /

分桃(ぶんとう)

古い用法

fentao · 余桃 · 余桃の罪 · 分桃之爱

弥子瑕が食べかけの甘い桃を衛の霊公に献じたという故事。『韓非子』に見え、「断袖」と並んで男性同士の情愛を指す言葉です。

出典は『韓非子』説難篇。衛の国の美男子・弥子瑕は、霊公の寵愛を受けていました。ある日、果樹園でとびきり甘い桃に出会い、半分かじったところで霊公に差し出します。霊公は感激しました——「彼は私を愛している。自分が食べていることも忘れて、桃を残してくれたのだ」。ところが年月が経ち、弥子瑕が容色の衰えとともに寵を失うと、霊公は昔のことを蒸し返します——「あの男はかつて、食いかけの桃を私に食わせた!」。同じ一つの出来事が、寵愛のあるうちは深い情、寵を失えば罪状になったのです。

「分桃」(「余桃」とも)はここから男性同士の情愛を指す典語となり、断袖龍陽と並び称されます。日本でも「余桃の罪」として伝わる故事です。付け加えるなら、韓非がこの話を書いた本来の意図は、君主に進言する者への「君主の心は測りがたい」という戒めでした——原典の主眼は寵愛の頼りなさであって、愛の賛美ではありません(より広い流れは歴史年表へ)。

語感メモ:文語の故事で、書面の語域。現代の日常で自称として使うことはありません。

よくある誤用:前半の温かさだけを語り、後半の手のひら返しを省くこと。実は完全な物語のほうが現実味を帯びています——権力に寄りかかった愛情は、その安心もまた権力しだいなのです。